【国語】「せんねんまんねん」から見える5つの詩の技法

詩は、独特のリズム感を味わったり、友達と解釈を話し合ったりすることが楽しい教材です。しかし、ただ音読させるだけでは詩の良さを目一杯に感じることはできません。ある程度の技法に気付かせ、教えます。今回は、「せんねんまんねん」の詩で扱った詩の技法について紹介します。

授業の流れ

①音読…追い読み、交互読み、たけのこ読み等、バリエーションを付けて飽きを感じないようにします。

②「わきお」…「わかったこと」「気付いたこと」「思ったこと」を思いつく限りノートに書いていきます。

③技法の理解…「わきお」で出された子どもの意見に、一般的な詩の技法をラベリングしていきます。

④解釈…「話者の視点で絵を描くなら、何を描くべき?」という発問にしました。難しく、反応はいまいちでした。

今回は、②~③で子どもたちが自ら気付いた「詩の技法」を見ていきましょう。

詩の技法

詩の授業というと、リズムよく音読したり、イメージをイラストにしたりするパターンが多いのではないでしょうか。

もちろん、音読もイラスト化も、理にかなった学習であり、私もやっています。

しかし、私は上記2つに加えて「詩の技法を検討する」ことも、高学年ならできるし楽しいのではないかと考えています。

その詩を良いと感じる理由はどこにあるのか。それを分析する上で「詩の技法」が欠かせません。

以下では「せんねんまんねん」の詩で、子どもたちの気付きを元に詳しく見ていった「詩の技法」を5つ解説していきます。

リフレイン

まずは「リフレイン」です。

低学年の頃は「繰り返し表現」と言うことがあります。

実際に、6年生の児童も最初は「繰り返し表現」と言っていました。

そこで、私が「リフレイン」という言い方を教えました。

気付かせ、教え、使わせる、の流れが大事だと思います。

対比

次は「対比」です。

「対比」は小説文や論説文でも度々見られます。

国語ではかなり肝となる技法のひとつです。

勘違いしやすいのは、「対義語とは限らない」ということです。

「白」の対比は「黒」だけでなく、「赤」や「青」でも良いわけです。

「AとBを比べて何かに気付けるか」がポイントになります。

今後扱う物語文でもキーワードになるので、かならず押さえます。

話者

さらに「話者」。

「語り手」と言うこともありますね。

大事なのは、「作者と話者は違う」ということです。

例えば、「せんねんまんねん」の作者はまど・みちおさんですが、語っているのはまどさんとは限りません。

作者は、自分の頭の中にいる話者の言葉を代弁しているのです。

子どもたちからは、「ヤシの木が話者なのではないか」という意見が多く出ました。

脚韻

次は「脚韻」。

「脚韻」とは、「詩歌の句末を、同音に揃えること」です。

詩のリズム感を生むために必要な技法です。

「せんねんまんねん」は「のむ」がそのまま連続するので気付きやすいポイントではあります。

「脚韻」は言葉自体が少し難しいので、「覚える必要は今はないよ」と伝えました。

興味のある子は、ノートにメモをとっていました。

次に「連」です。

残念ながら、「連」については意見が出なかったので、私から投げかけました。

詩は、文章でいうところの段落のように、塊で分かれていることがあります。

その塊を「連」と言うのです。

初めの塊を「第一連」、次の塊を「第二連」と言います。

知っていれば一番に気付くことのできる点ですが、意外と子どもたちは気付かなかったようです。

塊が分かれているのは当たり前すぎて盲点だったのか…?

まとめ

詩の技法を押さえておくと、小説文や論説文もより多くの角度から読むことができ、理解が深まると思います。

さらに別の機会で詩を扱うときに、覚えている子どもたちが自分からどんどん意見を言ってくれて、授業を子どもたちのペースで進めることができます。

次に詩を扱うのが楽しみです。「解釈」についてももっと踏み込んでいきたいと思っています。

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