本日は卒業アルバムに向けた写真撮影がありました。授業風景を撮っていただきます。「子どもたちが生き生きと活動している様子を撮ってもらいたい!」と思い、急遽内容を変更。必勝の「いるか」授業を行いました。その内容を記します。
「いるか」の詩
いるか 谷川俊太郎
いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるか
いるかいないか
いないかいるか
いるいるいるか
いっぱいいるか
ねているいるか
ゆめみているか
授業の流れ(導入)
視写
教師が黒板に、「いるか」の詩を書きます。
作者名以外は全てひらがなで、特別長いわけでもないので、中学年以上なら短時間で視写ができます。
自分で黒板を見ながら書き写しながら、詩の中身を考える子も出てきます。
音読
視写し終えた人から音読練習をして待ちます。
何度も繰り返し練習させ、覚えさせます。
覚えるまではいきませんが、かなり頭には入ります。
全員の視写が終わったところで、全員で音読練習に入ります。
今回は、「追い読み」→「交互読み」→「たけのこ読み」→「一斉読み」の順で行いました。全部で7回、みんなで通しました。
「わきお」
各々で「わきお」を書きこませていきます。
「わきお」とは「わかったこと」「きづいたこと」「おもったこと」の頭文字をとったものです。他教科の導入場面でもかなり使えるキーワードです。
少し前に「せんねんまんねん」の詩を扱った時に、詩の技法については教えているので、それについて書く人も見られます。
前に勉強したことを使おうとしている人を、積極的に褒めていきます。
今日は、「連」「対比」「脚韻」「リフレイン」等が気づきとして挙がりました。場面の様子などの内容的なことにも気づいた人もいました。既習事項を生かしています。
授業の流れ(発問)
続いて発問です。一通りの内容把握が終わったところで、課題を提示していきます。
連の区切りはどこか?
連の区切りはどこかを聞きます。
これは、内容的にも形式的にも、6行目と7行目の間であると確定できます。
内容的に考えた人が多かったようです。
「日中に来て一度帰った場面が6行目だ」「場面の変化が6と7の間である」等々…。
形式的には、「6行ずつで分けることができる」「1~4行目と7~10行目がリフレインになっている」等が挙げられます。
一連に動物の「いるか」は何匹いるか?
「いるか」の詩は、「動物のいるか」と「『いますか?』のいるか(?)」で分けて読むことができます。
解釈の一種なので、どこを動物、もしくは「いますか」で読んでも構わないわけです。ただし、自分なりの根拠をもって読むことが条件です。
動物の「いるか」として読むのはどこか、近くの人と相談してから全体に発表してもらいました。
しかし…
私としては詩に書かれた「いるか」の中で、動物として読む「いるか」はいくつか?と聞いたつもりが、何人かは一連の内容を想像したときにいるかは何匹登場しているか?という問いだと捉えた人がいたようです。私の発問ではどちらの意味でも通ってしまいますので、失敗だったと思います。
改善案としては、一連の詩の『いるか』を□で囲った後に、「この中で動物とし読む「いるか」はいくつ?」と聞けば良かったかなと思っています。
全体の中で動物として読まなければならない「いるか」が一つ。どれ?
詩全体を見て考える問いです。
こちらは班の形で考えさせました。
一人一人が自分の意見を伝えていきます。
(今回は写真撮影用に班の形を作っただけで、班になる必要は特にありません)
ほぼ全ての「いるか」は「動物」でも「いますか?」でも意味が通りますが、一か所だけ「いますか?」ではおかしい箇所があるのです。
答えは…
「ねているいるか」の「いるか」です。
「いるか」を「いますか」に変えたときに「ねているいますか」になってしまい、おかしいです。
最初は別の意見も出ていたようですが、班で話し合っているうちに全員がこの意見に納得したようでした。
まとめ
急遽、教科も内容も変えた一時間でしたが、子どもたちは割と熱中して授業に臨んでいたと思います。一度きりの詩の授業は、いつでも、どの学年でも行うことができます。是非、自分の必殺授業の一つとして、好きな詩を扱ってみてはいかがでしょうか。
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