6年生の国語で「熟語の成り立ち」という小単元があります。1年生で習った漢字でも、どの組み合わせなのか意外と知らないような言葉もあり、授業はなかなか盛り上がりました。今回はその流れをご紹介します。
熟語の種類
教科書では、漢字二字の熟語の成り立ちについて4つに分類しています。
①似た意味の漢字の組み合わせ (例)収納
②意味が対になる漢字の組み合わせ (例)縦横
③上の漢字が下の漢字を修飾する関係にある漢字の組み合わせ (例)山頂
④「―を」「―に」に当たる意味の漢字が下に来る組み合わせ (例)洗顔
このような説明書きがあった後に、課題が入っています。
【課題】次の熟語は①か④のどの組み合わせでしょう。
・忠誠 ・強敵 ・養蚕 ・玉石 ・帰国 ・苦楽 ・仁愛 ・温泉
それぞれの分類に2つずつ入るはずですね。
今回はこれらの中に以下の4つを足して出題しました。
・投石 ・上下 ・寒冷 ・海底
ほとんどの熟語は正しく分類されていきましたが、一か所だけ悩んだものがあったようです。
6年生が、どの熟語をどのように悩んだかわかりますか?
盛り上がった熟語は?
最も間違いが多かったのは「玉石」でした。
まずこの熟語は読みを間違えていました。「たまいし」と読む人が続出だったのです。
さらにこの熟語は初め、「①似た意味の漢字の組み合わせ」に間違われていました。
ほとんどの人は「『玉』と『石』はどちらも丸いものだから似た意味だろう」と考えたようです。
さらに、「仁愛」の意味をよく知らない為に、「玉石」と「仁愛」のどちらが「①似た意味の漢字の組み合わせ」なのか、それとも「②意味が対になる漢字の組み合わせ」なのか、分からなかったようですね。
最後まで意見はほぼ真っ二つに割れていました。
少人数で相談する中で、中には自然と国語辞典を引く姿も見られました。
「『仁』というのは『思いやり』という意味なので、『愛』とは似た意味になる」
「『玉』は将棋の『王』の扱いだから、『石』とは別物だろう」
「『玉』というのは昔、昔大切にされていたものだと聞いたことがある」
様々な視点から意見が交わされ、語彙の学習としてはかなり有意義な時間になりました。
まとめ
子どもの意見が真っ二つに割れるような教材はすばらしいと思います。
今回でいうところの「玉石」です。
1年生で習う漢字ですが、甘く見てはいけません。
どんなところに良い教材が転がっているのか。
アンテナを広く張っていたと思いました。
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