『やまなし』の授業もいよいよ終盤です。今まで、絵を描き、対比を探し、色を探し、象徴性を探し、主題を求め…、と多様な角度から文章を読んできました。まとめとして批評文を書く活動を入れました。その記録を記します。
批評文について
『やまなし』を読解した記録として、批評文を書く活動を行いました。
批評文と言っていますが、イメージとしては読書感想文を少し大人っぽく書くだけです。
私の学級では、読書感想文の中身として「あらすじ」「主題」「自分との関わり」を書かせることが多いです。
もちろん読書感想文に唯一の書き方や正しい書き方等存在しません。
しかし、「読書感想文を書くのが苦手」「何を書けばいいのか分からない」という子どもは多いです。
ある程度は型を知っていた方が、つまずきは少なく済みます。
より深いところで悩むことができるはずです。
今回の批評文も同じ。
批評文には、「あらすじ」「導き出した主題とその根拠」「物語を読んでの感想」を書くようにしました。
見通しをもたせるために、また、内容に困っている子への例示として私の書いた批評文を見れるようにしました。
私の書いた批評文のデータは以下になります。
本当は「評論文」を書きたかったのですが、かなり時間がかかるため、泣く泣くカットしました。
また、理想としては単元の最初に見通しをもたせておいた方が良かったのではと思っています。
「『やまなし』に隠された謎を解き、その解説書を作ります」なんて文句はどうでしょうか?
デジタルorアナログの選択
子どもたちには作文の媒体を、デジタルとアナログで選択させました。
デジタル作文
デジタルとは、ノートパソコンで作文することです。
Googleのドキュメントを使ってタイピング入力していきます。
書くことを苦手としている児童への支援にもなります。
また、文途中の加筆・修正も容易です。
半面、タイピングが遅い場合は、普通に書くよりも時間がかかります。
アナログ作文
アナログは、従来の作文です。
原稿用紙を使って書いていきます。
タイピングに慣れていない子は、アナログの方がすらすらと書けます。
主観的な感想ですが、考えたことを即座に書き連ねるなら、手書きの方が向いている気もします。
私も、メモや一日の振り返り、ブログの下書きなどは手書きです。
選択のメリット
子どもの中には、ハイブリッドで取り組む子もいました。
Aさん:構想・下書きをパソコンで打った後に、見直しをしながら原稿用紙に手書き
Bさん:ノートにメモを書いた後に、パソコンに打ち込んでいく子 等
頭を使いながら学習に取り組んでいる姿を見ることができました。
また、子どもたちも、ただ作文を書くよりも、何で書くかの選択肢があった方が、少しでも主体的に活動に取り組めるのではないでしょうか。
ただ他人から「これをやれ」と言われるだけでなく、少しでも選択の余地があった方が、良いと思います。
私自身、嫌な仕事があったとしても「○○よりはマシか」と考えることもあります。
それと同じで、作文が苦手な子でも「手書きよりはタイピングの方がマシか」と思えればしめたものではないでしょうか。
まとめ・感想
課題を提示した後、土日を一度挟み、数名が提出してくれました。
私の提示した例文を参考にしつつも、自分なりの解釈を踏まえており、秀作ぞろいです。
いろいろな手法や視点を与え、使わせ、取り組ませた『やまなし』の授業。
まだ、与えてやらせた段階です。しかし、手札をは揃いつつあります。
3学期の『海の命』で、どこまで主体的に、対話的に、深い学びを生み出せるか?
欲を言えばもっと他の物語文を扱って練習していきたいところですが…。
なんにせよ、次回の物語単元も楽しみです。
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