6年生の何教材「やまなし」。子どもたちも「作者の言いたいことがさっぱり分からない」と言います。作者の言いたいことを探る為の問いとしてふさわしいものはどれでしょうか?いろいろな先生に意見を聞いたので、まとめてみました。
「主題」とは
「主題」とは、「作者の言いたいこと・作品に込められたメッセージ」のことです。
極論を言えば、作者自身に聞いてみないと分からないし、実際に作者がメッセージを込めて作品を書いたわけではないかもしれません。
しかし、作品が生まれた以上、少なからず作者の潜在意識は入り込んでいるでしょうし、世界の名作にもメッセージ性の強い作品は多く存在します。
授業でも「主題」を問うことが増えてきました。
主題に迫る、主題を探る過程が楽しいからです。
国語として、「言葉を根拠に」学ぶうえでも、「主題を探る」という課題は分かりやすく、どの作品にも使える汎用性の高い問いです。
以下では、その「主題は何か?」を問う前にどのような問いがあれば、主題を考えやすいのか。について3つ程候補となる問いを紹介していきます。
あなたならどの問いを使って授業をしてみますか?
(案1)「やまなし」の象徴するものは?
【メリット】
タイトルにもなっている「やまなし」。
「やまなし」が象徴するものを、そのまま主題としてとらえることができます。
焦点を「やまなし」に絞っているので、考えることは明確です。
【デメリット】
「象徴」という言葉自体が難しく、子どもたちが考えにくい。
自力で答えを出すことが困難であり、授業として進展がない可能性がある。
(案2)タイトルが「やまなし」である理由は?
【メリット】
作者である宮沢賢治の意図を考える発問。
こちらも「主題」に直接つながる。
難しい言葉も使っていないので、なんとなくでも答えを出せる。
【デメリット】
前時とのつながりが難しい。
子どもたちがこの問いを考えるにあたり、「なぜこの問いに取り組む必要があるのか?」となる可能性がある。
(案3)一番重要な色は何か?
【メリット】
多様な意見が出て面白い。
色に対する個々人の解釈の違いを知ることができて楽しいだろう。
「なぜその色が重要だと思ったのか?」を突き詰めれば、「主題」に繋がっていく。
【デメリット】
「色」に限定してしまうと、それ以外で「主題」に迫ろうとする選択肢が狭まる可能性がある。
まとめ
個人的には「(案2)タイトルが『やまなし』である理由」と「(案3)一番重要な色は何か?」で悩んでいます。どちらも、過去に実践した人が多く、子どもたちも考えやすい問いです。
ただ、討論にしたときに「反論」が出るイメージがわかないので、白熱した授業になるかが微妙なところです。
授業開始まで残り1カ月!よりベターな問いを選べるといいかなと思います。
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