【国語】「やまなし」の授業⑥場面の様子を絵で描く

今回から本格的な「やまなし」読解の授業に入っていきます。まずは内容と構造の把握のために、場面の様子を絵で描きました。授業記録を書いていきます。

絵を描く目的

物語の様子を絵や図で描くというのは、国語の授業ではよくされている手法のようです。

実際、「やまなし」の授業も光村の指導書には、「絵を描く」という時間がしっかり入っています。今回は、それも参考にしながら、指導計画に組み込みました。

目的は2つです。

目的⑴ 内容と構造の把握

内容と構造の把握が最も大きな目的です。

「やまなし」は「五月」と「十二月」の二つの場面で構成されています。それぞれに登場する物が異なります。

特に題名にもなっている「やまなし」は「十二月」にしか登場しない、ということは大きな特徴であり、謎の一つであります。

絵を描くことは、場面や登場する物のイメージをもっていないとできません。

「やまなし」には聞きなれなかったり、馴染みがなかったりする物も多く登場します。

それが「やまなし」の難しさの一つの理由かもしれません。

絵を描くために、もののイメージをもとうとします。絵を描く中で、自分が何を分かっていないのかが判明します。

また、完成した絵を友達と見比べることで、読み違えていた部分も浮き彫りになります。勝手な想像をここで修正することができます。

特に、「かわせみ」や「やまなし」の大きさや色等は、本文を読むだけでは、間違ったイメージをもつ可能性が高いです。

勝手な想像をしない。そして、正しく読む。

そのためにも物語を絵で描くことには意味があります。

目的⑵ 対比を意識させる

本単元のゴールの一つに、「作者の伝えたいことを理解する」というものがあります。

それを理解するには、物語の対比構造を捉えておく必要があると考えます。

先にも書きましたが、題名になっている「やまなし」は「十二月」にしか登場しません。

これは題名に作者の伝えたいことが詰まっていると仮定したとき、大きな意味をもちます。

また、「五月」と「十二月」のそれぞれの場面は、世界観・象徴性が異なります。

対比させながら理解させたいところです。

いきなり文章だけで対比させるのではなく、簡単な絵にしてから対比させることで、イメージを掴みやすくなると考えました。

以上の理由から、対比を捉えやすくさせるために、物語の様子を絵にしておきたかったのです。

授業の実際

課題提示

物語を絵にするという課題を伝えました。

絵を描く児童は多いので、喜んでいました。

もちろん、絵を描くことが苦手な児童は不安がります。

そこで、「かに」や「さかな」の簡単な絵を黒板に描いておきました。

写真で確認

馴染みのない言葉たちを、私が調べた写真で確認していきました。

まずは「やまなし」の大きさと色がわかる写真から。

「やまなしを持ってみて?」と言って、簡単に予想させてから提示します。

予想外の小ささに、児童は驚きの声を上げました。

続いて「かわせみ」。

物語だけを読むと、どう猛なイメージをもちやすいところです。

これも大きさを予想してから提示します。

実際は、青と橙の可愛らしい綺麗な小鳥なのです。

そんなかわせみが獲る魚は、鮭のような大きな魚ではありません。

これもちょうどいい写真が見つかりましたので、見せておきました。

こんな感じで、「かばの花」「金剛石」「金雲母」「幻灯(機)」等も確認していきました。

絵を描く

授業の初めで、漢字や前時の復習をした結果、時間が足りなくなり、絵を描く時間は7分しか残っていませんでした。

さすがに厳しいので、この日は他の宿題をなくして、絵を描くことを宿題にしてしまいました。

ただし、「明日、全員でそれぞれのノートの鑑賞会をすのでの、そのつもりで」とだけ言っておきました。

翌日、みんなの描いた絵を確認しましたが、かなりの力作が揃いました。授業だけで急いでやらなくて正解だったかもしれません。

宿題も、授業にそのまま生きてくる内容の方が、気持ちを入れて取り組めるのかも?

まとめ

物語を絵で描く。

物語文の内容と構造の把握にはもってこいの活動でした。

特に「やまなし」にはうってつけだと感じました。

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