【国語】「やまなし」の授業⑤賢治の人物像をまとめる

「やまなし」の読解を進めるために、資料として「イーハトーヴの夢」を読みました。「やまなし」の作者である宮沢賢治の人物像を探っていきます。今回はその2時間目です。

賢治を巡る出来事

「イーハトーヴの夢」に描かれている、賢治を巡る出来事を羅列していきます。そこから分かる人物像を言語化していきます。賢治とはどのような人なのか?に答えられるようにしていくわけです。

例えば…

〇人々が安心して田畑を耕せるよう、質屋を継がずに、農業の道に進む決意をする。

という出来事に対して、子どもたちは

☆優しい。自分より他人を優先する。

といったような人物像を発表していきました。

他にも、

〇「いねの心がわかる人間になれ」という口癖

〇田んぼの真ん中にひまわりを植える。

〇イーハトーヴの世界を創り出す。

〇羅須地人協会を設立。劇団を結成。

〇病気の中でも、親切に来客対応をした。

といった出来事を、教科書「イーハトーヴの夢」からまとめ直していきました。

これらから、「賢治はどんな人なのか?」を考えて言語化し、ノートに書いていきました。

まずは個人作業です。上の出来事を全て箇条書きした後に、3つ程選んで人物像を書き足すように指示しました。

得意な人は、4つ以上書いたり、中には全て書いたうえで「まとめると…」の項目を自分でつくって書いたりする人もいました。

班内で交流

全ての出来事に対して人物像を書くところまで進まなかった人も多かったので、班の形になって交流させました。

「病気の中、来客対応する賢治は、思いやりがある人だと思う」

「他人の為に頑張れるけど、頑張りすぎている感じもする」

「たった一人のためにこんなにするなんて親切だと言える」

友達から聞いた意見でも、納得したら自分のノートにメモするように日頃から指導しています。

だんだんと、ノートの内容も充実させていきました。

発信&共有

班での話し合いが一区切りついたところで、まとめに入りました。

Googleフォームを使って、今日の学びを回答させます。

項目は2つに絞りました。

①賢治はどんな人と言えるか?人物像をまとめよう。

②「イーハトーヴの夢」を読んだ感想は?

みんなの回答はスプレッドシートで見合うことができるようにしています。

回答し終えた人は、どんどん上がってくる友達の回答を読みながら待ちます。

フォーム&スプレッドシートの組み合わせは、回答を全く思いつけない人のヒントにもなります。

人物像共有(次時)

次の時間の始め5分程度を使って、賢治の人物像を復習しました。

「賢治の人物像は?」と聞かれたらなんと答えるか?

近くの人と確認させてから、全体で発表させます。

指名なしで行い、あっという間に10人程が発表してくれました。

やはり多かったのが「自分より他人を優先する」「頑張りすぎ」「思いやり」等の意見です。

「やまなし」攻略のヒントにする為に、賢治の人物像を総括する四字熟語を教えました。

それは「自己犠牲」です。

自分を犠牲にしてまで他者に尽くす賢治の姿勢や思想が、「やまなし」をはじめとする物語たちに色濃く描かれていると言います。

「賢治は『やまなし』を通して何を伝えたかったのか?」少しずつその答えが見えてきているといいなと思いました。

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