跳び箱の授業を進めています。6年生ですが、コロナ等もありここ2、3年できていなかったので、目標は中学年寄りに下げています。開脚飛びを確認してから、台上前転と抱え込みとびに挑戦してきました。今回は、台上前転と抱え込みとびをそれぞれの児童が選択して練習に取り組んだ5時の授業について記録していきます。
目標と裏目標
指導要領的な目標
【知識・技能】跳び箱の技に取り組み、それぞれの技について自己の能力に適した技が安定的にできる。
【思考・判断・表現】課題の解決の仕方を知り、自分の課題に応じた練習の場や段階を選ぶことができる。
【態度】跳び箱運動に進んで取り組んだり、場の安全に気を配ったりすることができる。
教師の裏目標
跳び箱の単元に限ったことではありませんが、私が体育の授業の中で共通して目指していることがあります。
それは、その運動の楽しさを味わってもらう、運動の面白さを知ってもらう、ということです。
今回の跳び箱運動は、「飛び越えることが楽しい」ものです。
「浮遊感」「飛び越えた達成感」等が楽しさの一つとして挙げられます。
反対に、怪我をするとトラウマになってしまい、「もうやりたいくない!」と思われてしまいます。
だから、私の体育は「スパルタ」と「スモールステップ」を両立しています。
最初は易しいところから始めて、徐々に負荷をかけていく。
そうすることで次へ進もうという意欲にもつながるのです。
課題選択
これまでの時間に、開脚飛び、台上前転、抱え込みとびをそれぞれ練習してきました。
この第5時では、台上前転と抱え込み跳びのどちらかを選び、自分の課題とします。
さらに、その選んだ技の中で何を意識して練習するか、どこまで目指すのか、を設定します。
それぞれの児童が自分の課題を決めて各自で取り組む。
それが、強制されたわけではない、主体的な学びにつながるのです。
用意した場を紹介!
用意した場を紹介します。
台上前転① でかマット
通常マットの3倍の長さがあるマット(通称:でかマット)を跳び箱にかぶせます。
こうすることで、台上前転の勢いが足らずに途中で落ちてしまっても安心です。
ゆっくりとマットに沿って落ちていきます。
見た目も跳び箱とは言えないものになっており、楽しさの方が勝ちます。
安心感が、挑戦心を生むのです。
ちなみにマットの高さは5段です。
台上前転② ふわふわマット
通常よりも分厚くて、スポンジ的な素材のマット(通称:ふわふわマット)を、跳び箱の両サイドに置いておきます。
こうすることで、でかマットと同じように、回転の途中で跳び箱から落ちてしまっても安心です。
何と言ってもふわふわですから。
わざと落ちようとする人もいるくらいです。
跳び箱の高さはでかマットよりも1段低い4段でセットしています。
抱え込み跳び① 縦5段+エヴァマット
抱え込み跳びに挑戦させるための支援として、「引っかかっても大丈夫」という安心感を与えることが挙げられます。
そのために、エヴァマットを使います。
暑さ1m程ある特大マットです。
これを跳び箱の向こう側、つまり着地用のマットの代わりに置くのです。
うまく着地ができなかったとしても、マットが柔らかいので安心です。
抱え込み跳び② 縦4段+マット3枚重ね
エヴァマットの代わりにマットを何枚も重ねることもあります。
今回は、3枚を重ねておきました。
ちなみに、抱えきみ跳びに挑戦させるための声掛けとして
「まずは、跳び箱の上に着地しよう。物足りない、いけそうだ、と思ったら向こう側に着地しよう」
と言ってあります。
だからこの「縦4段+マット3枚」は、「縦5段+エヴァマット」に進む前の子たちが段階的に挑戦するために使っています。
跳び箱の上に着地する子が多いです。
段々と飛び越えられるようになる子もいるので、声をかけてエヴァマットに挑戦させます。
抱え込み跳び③ 穴あきを横向きで(4段)
初歩の段階では、穴あきの跳び箱も用意します。
横向きで、足を通すための穴も空いているので、安心感があります。
「両手の間から足を出す」動きに慣れるための場であると言えます。
ただの5段
ただの縦5段も置いておきました。
ここでは、特別な場の工夫はなしで、台上前転と抱えきみ跳びに挑戦できます。
台上前転に挑戦する子が多かったです。
授業の後半には何人か抱え込み跳びで挑戦していました。
年の為、跳び箱の横にもマットを置いておきました。
まとめ
様々な場を用意することで、一人一人に合った課題に向き合わせることができたのではないかと思います。
また、どこで何をするかを「選べる」というのも主体的な態度を生む手立てになります。
なにより「楽しさ」に繋がるはずです。
体育が楽しい、跳び箱が楽しい、という子が一人でも増えるように、次回最後の跳び箱学習も頑張ります!
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